全国地域サッカーチャンピオンズリーグ 決勝ラウンド 3日目
2022.11.27 Sun 13:30~ Kickoff
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
3 ブリオベッカ浦安
32分 伊藤
48分 村上
87分 上松
1 前半 0
2 後半 1
試合終了
1 栃木シティFC
<スターティングメンバー>
GK:谷口 裕介
DF:加藤 大育,笠嶋哲太,西袋 裕太,平野 貫路
MF:峯 勇斗,橋本 龍馬,伊藤 純也,伊川 拓
FW:秋葉勇志,村上 弘有
<ベンチスタート>
GK:佐久間幸一
MF:藤岡 優也,上松 瑛,石原 大樹
FW:飯澤良介,二瓶 翼,井上 翔太郎
先に開催された沖縄vs刈谷の試合で沖縄が勝利し、浦安は勝たないと昇格出来ない状況となった。
試合前に昇格が決まる可能性もあったが、この結果むしろチームは「勝つだけ!」と開き直ることが出来た。
ロッカールームでは会話の弾まない選手たちに向かって都並監督がジョークを飛ばしてリラックスできるムードを演出。ミーティングでも戦い方などには一切触れず、自分の代表経験を交えながら平常心で戦う気持ちを伝えていた。
実際試合開始1時間前には選手から笑顔が溢れるようになり、硬い表情が消えて無くなった。
選手入場ではマスク着用、声援禁止の中、浦安サイドのサポーターの皆様が応援ボードを掲げて選手を後押し。
先発に秋葉を起用。怪我による長い離脱期間を経て先日から合流。JFL昇格経験のある選手をトップに起用した。
前半から栃木の個の強さと浦安のスピードの対決となった。
サイドからドンドンと駆け上がりながらクロスを入れて村上と秋葉の良さを引き出す浦安に対して、ボールを奪うと体を活かしてキープしながらミスなく相手陣営に運ぶ栃木。
関東リーグで、そして全社で3試合戦ってシノギを削った両者は互いに譲らず激しい戦いとなった。
浦安のファーストシュートは村上。加藤のロングスローから前線でボールを動かし、ワンタッチで反転しながらのシュートは枠を逸れた。
前半23分には栃木の強烈なミドルシュートがクロスバーをかすめる。危ない場面だった。
そして前半32分、伊川のコーナーキックをクリアされたが、そこに走り込んできた伊藤がペナルティーライン左から思い切って振り抜くと豪快にゴールに突き刺さった。先制点を得る。
都並監督の指導の成果が強く出る。「前線からの守備」を合言葉に、相手の深い位置でも積極的にプレスをかけ続ける浦安。相手にボールが渡ると脱兎の如く駆け戻って守備の陣営を組む。そのため相手にシュートを打たせない。
1−0のままハーフタイムに。
ハーフタイムでの交代はなし。
後半2分、伊藤がロングフィードで左サイドに伊川に送るとその伊川が粘ってクロスを上げる。秋葉が相手と競り合いボールがこぼれたところに村上が胸トラップをし、落ち着いてシュートを決めた。2−0。
後半12分、平野に代えて飯澤。この飯澤がすぐに力を発揮する。飯澤は左前線でスローインをするとそのまま駆け上がり、ゴールラインギリギリで村上からボールを受けてするりと相手をかわしてゴール前に優しいクロス。これに合わせたのは秋葉。惜しくもゴールは決まらなかったが浦安の息の合った連携プレイを見せた。
後半18分には西袋の振り向きざまのボレーシュートはGK正面。
浦安の交代は後半24分。伊藤と秋葉に代えて藤岡と上松。上松がトップに残り、藤岡が右サイドハーフのポジションに。
ここから栃木の猛攻が始まる。そして後半30分、相手選手のドリブル突破から失点をしてしまう。2−1。
あと1点失うと昇格の可能性が消えるという状況に追い込まれる。
しかし選手は粘る。後半38分に交代で入った藤岡が相手と交錯して足を痛め試合続行が不可能になる。交代で入ったのは石原。これで浦安は大卒ルーキ3人がピッチに立つ。
後半41分、飯澤が倒れ込みながらもセンターの井上にパスを送るとドリブルで駆け上がる井上。安定感がある。そして右サイドに走り込んだのは上松。右の角度のないところから足を振り抜くとゴールに突き刺さる。
3−1と引き離す。上松は教え子のU13の選手たちが狂喜乱舞しているスタンドにガッツポーズ。前節に続いて勝負強さを見せた上松。
アディショナルタイムは7分。栃木の猛攻が続く。ボールを取ると全員で駆け上がる浦安。コーナーでボール保持もするがまた猛攻を受ける。
一進一退の戦いが続く。
アディショナルタイム5分には栃木のクロスからのヘディングがゴールポストギリギリを逸れる。危ない。
しかし浦安は引かずに攻撃に転じる。
そして7分が過ぎ主審のホイッスルが会場に響きわたる。
浦安のほぼ全選手がピッチ上に倒れ込む。出し尽くした選手たち。
全国社会人サッカー選手権での優勝に続き全国地域サッカーチャンピオンズリーグでの優勝と完全制覇を成し遂げた瞬間だ。そしてJFL昇格の権利を得ることが出来た。
ピッチでは選手全員が涙を流しながら勝利を喜ぶ。
そして表彰式に続いて胴上げ。全社優勝でも「何も得ていない」と胴上げを拒んだ都並監督の身体が宙を舞う。
最後にサポーターたちを喜びを分かち合いながらみんなで写真撮影。あらかじめJFL昇格の横断幕が後援会から準備されていた。皆昇格を信じていたのだ。
都並監督コメント:試合の入りからリラックスしてピッチに立つことが出来た。後半危ない場面も合ったが試合を通して我々のペースで試合が進んだと思う。支えていただいた皆様に結果で恩返し出来たことは何より。まずは喜びを分かち合いたい。
上松選手コメント:午前の試合の結果で勝つしかないという状況となり、むしろ勝つという気持ちが全面に出た結果だと思う。
橋本選手コメント:浦安らしく一体となって戦うことで勝利を呼び寄せた。
谷口選手コメント:栃木さんは非常に強いチームであることは経験しているので、我々はしっかりとした守備から組み立てて早い攻撃につなげることが出来た。多くの皆様に応援に来ていただいたことも後押しとなった。
伊藤選手コメント:全員が昇格への思いを強く持って試合の臨めた。その結果だと思う。
なおJFLでは12月6日に理事会を行い、そこで昇格チームに関する討議が行われ正式に決定することとなっています。現時点では昇格の権利を得た状態です。12月6日まで正式な発表はお待ちください。
(ピッチに立った大卒1年目ルーキー3人)
(応援の後押し)
(育成の選手たち)
(表彰式)