トップチーム

天皇杯千葉県予選決勝 対柏レイソルU18

2012.08.25 Sat 16:00~ Kickoff

フクダ電子アリーナ

1 ブリオベッカ浦安

0 前半 1

1 後半 0

0 延長前半 0

0 延長後半 0

3x PK 5

試合終了

1 柏レイソルU18


この5年間トップチームの試合を見ていてPK戦は記憶にない。前週にPK戦を制した柏レイソルU18に勝利が転がり込んだ理由はそんなところではないだろうか。PK戦を制したチームが90分+30分を闘った辛さの反動で歓喜に満ちあふれる。一方、敗戦したチームはより一層辛くなる。2年連続して同じカードで闘った天皇杯千葉県代表戦はまたしても柏レイソルU18に奪われてしまった。
昨年、まんまと策にはまってしまって前半失点し、挽回のために前に出てまた失点。柏レイソルU18の試合運びはいつも同じだ。ボールを回してチャンスを待つ。今年の浦安SCはただ回されるのではなく、判断をはっきりすることにしていた。ボランチから「行け」「待て」と前線に指示が飛ぶ。それでチームの動きは統率が取れ、あいまいな対応は作らない。その結果、柏レイソルU18はボールを回すだけで攻撃の糸口がつかめない。延長戦の後半ホイッスルが鳴るまで、グルグルと逆サイドの空いている選手にボールを回す。あまりにいつまでもボールを回しているだけにもいかず、センターに蹴り込んで来るが、それは固い守りで跳ね返す。ボールの保持率は圧倒的に柏側だったが、サポーターが観戦していて「負けるとは思えない」試合だった。
立ち上がり5分に好機が訪れる。右サイドからボールがフィードされ、相手GKの判断が一瞬遅れた。そこにつめていた田中がシュート。冷静さがあればゴールが決まるシーンだった。
そして失点。市原選手が体制を崩しながらボールを処理し、それが後ろにこぼれた。市原選手が倒れているその空いたスペースを柏レイソルU18が二人で突破。スピードのある攻撃に体制を充分に取れていない守りの間隙を突いてゴールを奪われた。ハイレベルの試合では一つのミスが失点を招き、またミスを確実に得点につなげた柏レイソルU18の上手さには脱帽せざるを得ない。
失点シーン以外、前半は危ない場面はほとんどなかった。チャンスが幾度か訪れるが、残念ながらボールがゴールの枠を超える事はなかった。惜しかったのは清水がセンターの混沌から放ったシュート。

誰もが決まったと思った。長谷川の見事な柔らかいシュートもGKの頭上を超えたものの、クロスバーをかすってゴールネットの上にこぼれた。失点はしたものの、後半に夢を託す前半だった。
後半に入り柏レイソルU18のボールを回す戦術は一層際立って来る。浦安SCは「回させている」のだが、すぐにはボールが取れない。それは柏レイソルU18の選手達のパスの精度が高く、トラップミスもない上手さがあるから。少年時代からJの下部組織として鍛えられた彼らが身につけたサッカーはあるいみ洗練されU18で結実している。いずれにしてもゴール前にボールが流れて来た時や、GKにボールが渡ったときにスピードを上げてサイドから反撃をすることとなる。
そして後半16分、左サイドをその早さで突破した正木からセンタリング。これを受けてディフェンダーに囲まれた清水がグラウンダーのするどいシュートを打った。(冒頭の写真)

こんなとき、頼れる奴が仕事をするのだ。応援席からは「痺れる」との声が。
後半は永井の好セーブも光った。同点になり、より一層ゴール前にボールを入れて来る柏レイソルU18は当然シュートの回数も増えて来る。永井は冷静に、あるいは考える間もなく体が動いてゴールを守っていた。
そして30分の延長戦に突入。

田中の思い切ったこのプレイもボールは無人のゴールには入らない。
結局PK戦に突入。
冒頭にも書いたが、浦安SCはこの5年以上公式戦でのPK戦がない。先週PK戦を制した柏レイソルU18。PKは運だと諦めるしかないが、ほんの少しの違いがあったとすればその経験だったと思う。
お互いに死闘を演じた選手達。浦安SCにはご苦労様と言いたい。そして柏レイソルU18にはぜひとも栃木代表戦を制して本選で柏レイソルトップとの夢の対決を実現して千葉県民を湧かせて欲しい。
浦安SCは悲嘆に暮れている暇はない。関東リーグ残り3試合の全勝が義務づけられている。自力突破はないものの、2位に残るために自分達がやれることは全勝のみ。この日の結果を忘れて次の勝利に向かって邁進して欲しい。